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自己負担。
第7章 彼の移り香
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目を覚ますと、彼は言ったとおり私のすぐそばで眠っていた。
夜通し泣いてばかりいたせいか寝不足で、強い睡魔から昨日の夜の出来事はあまり覚えていない。
雰囲気に流されてキスしてしまったのは先輩と別れてやけになってた部分もあると思う。
でもアキと会ったおかげでだいぶ気持ちが楽になった。
「…アキ…おきて」
「…ん…」
アキは眉間にシワを寄せてゆっくりと目を開く。
「ちょっ……きゃあ!」
目が開いたと思ったら既にわたしはアキの下敷きになってソファに押し倒されていた。
「もう、寝ぼけてる?離して」
あきはわたしを頑なに離さず、もぞもぞと動き出すと首筋に顔をうずめてきた。
「うーん……。寝ぼけねえよ。お前の匂いにつられて。
昨日葉月の首に顔うずめただろ?それがもう気持ちよすぎて」
「は?朝から何言ってんの…」
「なあ、シャワー浴びてこいよ」
「なんでよ…」
「お前その頭で帰るの?」
アキはわたしのボサボサに跳ね上がった髪を見ながら笑う。
「え!?うそ!!」
「ほんと葉月って見てて飽きねえよな、
バスタオルだしとくから、行ってこい。
すぐそこだから」
「ごめん、借りるね。覗かないでよ」
「そんなことしねえよ。まだな。」
「まだってなによ。もう」
アキは笑いながら立ち上がり、タオルを取りに行く。何考えてるかわかんないけど、素の自分でいれる。
アキが作り出す不思議な空気は、なんだかんだ嫌いじゃなかった。
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