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自己負担。
第9章 逃げられない思い
「…ご…ごめんなさい…」
アキの視線が怖くて私は目を合わさずに家の中に駆け込んだ。
アキ、すごく変わってた。
あんなに派手だった髪も、しっかり黒に染まっていて
だらしなかった制服の着こなしもしっかりしていた。
夢乃先輩の影響なのかな…
どっちのアキも好きだけど、
それどころか私はいろんな思いが入り混じってアキを直視できなかった。
扉に寄っかかってズルズルと座りこむ。
アキに話しかけられると
好きだと言ってしまいたくなる。
あの胸に飛び込んでしまいたくなる。
でも私にそんな権利なんてない。
アキは黙り込む私をどう思ったかな。
不自然?感じ悪い女?
どっちにしろアキはもう私に話しかけてくれることなんかないだろう。
「……好き。」
そう呟くと我慢していた涙が一気に溢れ出す。
もう少し自分の気持ちに気付くのが早かったら、
アキは私のものになったのかな。
どうしてアキは私を追いかけてきてくれたの?
まだ諦めなくていいの?
やっぱりこんなのダメなんだ。
いくら自分の思いが叶わないからって他の人で好きな人を忘れようとするなんて。
結局先輩と体を重ねる度に叶わない現実を突き付けられて、
余計に胸を痛めているんだから。
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