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自己負担。
第9章 逃げられない思い

家の前に着くと、誰かに後ろから強く手を引かれた。


だれ?


驚いて急いで振り返ると、
そこにはアキの姿があった。


「アっアキ!??」


お互い切れた息を整えながら向かい会った。


「葉月、めっちゃ呼んだのに全然気づかないんだなー?
はあ、もー……めっちゃ疲れた……」


なんで?なんでアキが追いかけてくるの?
全然頭がついていかない。

久しぶりのアキに、心臓が高鳴って目が見れない。
だめだ、私今までどうやってアキと接してたんだっけ…
全く思い出せない。


「おい、葉月?」

黙り込んだ私をアキはかがんで覗き込んでくる。

やめて。見ないで。
好きな人を想像して別の男に抱かれるわたしなんか。

アキが私の頭を撫でようと手を近づけた瞬間、
その手を振り払ってしまった。

「ッ!?…葉月!?」

私、なにやってるの…
相手は大好きなアキなのに、
直接会うと自分が汚く感じてしまう。


この手はもう夢乃先輩のものだから。
私が触れることはできない。




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