この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
自己負担。
第9章 逃げられない思い
家の前に着くと、誰かに後ろから強く手を引かれた。
だれ?
驚いて急いで振り返ると、
そこにはアキの姿があった。
「アっアキ!??」
お互い切れた息を整えながら向かい会った。
「葉月、めっちゃ呼んだのに全然気づかないんだなー?
はあ、もー……めっちゃ疲れた……」
なんで?なんでアキが追いかけてくるの?
全然頭がついていかない。
久しぶりのアキに、心臓が高鳴って目が見れない。
だめだ、私今までどうやってアキと接してたんだっけ…
全く思い出せない。
「おい、葉月?」
黙り込んだ私をアキはかがんで覗き込んでくる。
やめて。見ないで。
好きな人を想像して別の男に抱かれるわたしなんか。
アキが私の頭を撫でようと手を近づけた瞬間、
その手を振り払ってしまった。
「ッ!?…葉月!?」
私、なにやってるの…
相手は大好きなアキなのに、
直接会うと自分が汚く感じてしまう。
この手はもう夢乃先輩のものだから。
私が触れることはできない。
.