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LOVE SCENE
第1章 春はそこまで
だから俺は一番近い両親に、俺たちの事を認めてもらうつもりだった。
それなのに…、膝を折って頭を下げる春海さんの姿はすごくショックだったし、その隣でなにも言えず座っているだけの自分に無性に腹が立ったんだ。
『正々堂々』なんて、思い上がっていただけだし、俺は腰抜けだ。
「…そういうわけで、自分の気持ちは真剣です。混乱していらっしゃるこの場で、こんな事を言うのは心苦しいのですが…優真くんと付き合う前に…その……HIVの検査も受けています」
「そんなことまでいう必要ないよ! 春海さんが謝る必要なんてないっ。俺たちの何が間違っているんだよっ。なんで謝らなくちゃならないんだよ。ただ、好きになっただけなのに…」
春海さんの言葉に俺は涙が溢れて、それを見た両親も春海さんも驚いて、なんだか収拾がつかなくなりそうになった所で、妹の放った一言がすごかった。