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LOVE SCENE
第2章 シアワセ職人
「あ、ありがとうございます。ええと、どなたかのご紹介ですか?」
「はい、そんなところです」
「ではこちらのカードのご紹介者欄のところに」
「あ、本人が恥ずかしがってまして、伝えるなと申しておりますから」
「はぁ」
なんだかよくわからないまま、けれどもスタイリスト人生初の指名に、心の中で気合を入れる。
『顎ラインぎりぎりのボブ、毛先を軽く』と告げられ、アウトラインに注意深くシザーを滑らせた。
人見知りしないタイプなのか、女性は終始にこやかに話題を振ってくれるので、苦手な接客部分に神経を使うことなくカットを進められて助かる。
「お仕事は?」と尋ねると「営業をやっているんです。けどね、それが課長の陰謀でね…」なんて話を面白おかしくしてくれるので、特別緊張もせずにカットを終えることが出来た。
あぁ、初めての指名客がこんなにいい人でよかった。
紹介してくれたという方にも感謝しなくちゃ。
「はい、そんなところです」
「ではこちらのカードのご紹介者欄のところに」
「あ、本人が恥ずかしがってまして、伝えるなと申しておりますから」
「はぁ」
なんだかよくわからないまま、けれどもスタイリスト人生初の指名に、心の中で気合を入れる。
『顎ラインぎりぎりのボブ、毛先を軽く』と告げられ、アウトラインに注意深くシザーを滑らせた。
人見知りしないタイプなのか、女性は終始にこやかに話題を振ってくれるので、苦手な接客部分に神経を使うことなくカットを進められて助かる。
「お仕事は?」と尋ねると「営業をやっているんです。けどね、それが課長の陰謀でね…」なんて話を面白おかしくしてくれるので、特別緊張もせずにカットを終えることが出来た。
あぁ、初めての指名客がこんなにいい人でよかった。
紹介してくれたという方にも感謝しなくちゃ。