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戦国ラブドール
第7章 はじめての共同作業
新人の大海は本来入れない、城の奥。その中の一室には、高虎と大海、そして市松と虎之助、行長の三人が揃っていた。
そして上座には、質素な身なりだが、知性に溢れた美丈夫が腰掛けていた。小柄なところは秀吉と同じだが、顔は全く似ていないこの男。それが、豊臣秀長だった。
「そなたが、噂の『二喬』の片割れか。儂の元へ自ら乗り込んでくるとは、なるほど面白い」
骨の形から違う目の前の男が、秀吉と兄弟とはとても思えない。大海は影武者かと疑い、ついまじまじと秀長を見つめてしまった。
「兄上と似てないと思っているのか?」
「え? あ……」
「初めて会った人間には、必ず言われる。だが、心配せずとも儂は本物だ」
秀長は笑い方も上品で、大海はますます面食らう。羽柴は農民の出、譜代のない武士、などと揶揄されるが、気品ある弟がいるなら安泰だろう。大海は深呼吸すると、凛とした瞳を向けた。
「失礼しました。あたしが妖婦だと疑われているとの事ですが、その件について弁明するために参りました」
「よかろう、聞こう」