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戦国ラブドール
第7章 はじめての共同作業
大海のはっきりとした言葉に、目を丸くしたのは市松だった。立ち上がろうとして虎之助に押さえられるが、口は止める間もなく出てしまう。
「ちょっと待て、それじゃ虎之助はどうするんだよ! せっかく虎之助が真剣に――」
だが虎之助は市松の口を塞ぎ、首を横に振る。
「ちょっと黙ってろ! 今はあいつが話してるんだ、妙な口を挟むな」
当人である虎之助に咎められては、市松も黙るしかない。不満そうな顔をしていたが、渋々座り直した。それを確認すると、秀長が口を開く。
「確かに、今長浜城に新しい侍女はいらぬ。ただでさえ宴に散財し無駄に金を使ったのだ、なるべく節制したいと儂も思っている」
「ならば、あたし達に暇をください。秀吉様は織田の重臣、田舎の小娘に構わずとも、女性に困る事はないでしょう」
だがそこで、再び横槍が入る。今度口を挟んだのは、高虎だった。
「ちょっと待ちな。いかな秀長様といえど、秀吉様の許可もなく追放処分などすれば、それこそ遺恨が残るだろう」
「ふむ、高虎の言にも一理あるな。姉はともかく、妹は兄上が直接手を下している。身内だからといって、全て好き放題出来る訳ではない」