この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
戦国ラブドール
第18章 プロポーズ
「市松がどうであれ、花に罪はないだろ。燃やすだなんて、そんな酷い事はするもんじゃないよ」
「……でも」
「でもじゃない。少し落ち着きな」
小夜は唇を噛み、うつむく。そして涙をこぼすと、大海に抱きついた。
「ごめんなさい……お姉ちゃん、小夜を、嫌いになった?」
「嫌いになんてなるもんか。ただ、少し頭を冷やせって言ってるんだよ。どんな理由があれ、人や物を傷付けちゃいけない。あんたの手は、そんな事をする手じゃないだろ」
「わたし、お姉ちゃんがまた酷い目に遭わされるかと思って、つい……」
「分かってる、小夜が怒ったのは、あたしのためだ。頼りない姉で、ごめんよ」
大海が謝れば、小夜はすぐに首を横に振り否定する。
「お姉ちゃんが謝る必要なんてない! お姉ちゃんはいつだって、わたしの一番のお姉ちゃんだもん!」
小夜はそう言うが、大海は自分を責めずにはいられなかった。大海自身がもっとしっかりしていれば、小夜が心配する必要もないのだ。自分の未来も、他人の気持ちも分からない。そんな自分が、情けなくて仕方がなかった。