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戦国ラブドール
第21章 急転
大海の姿を見つけると、小夜は大海の胸に飛び込み抱き付く。小夜の体は冷たく、恐怖で震えていた。
「お姉ちゃん、助けて……!!」
「小夜……ごめんよ、あたしが側にいなかったせいで」
するとそこで、後を追いかけてきた志麻と半兵衛が顔を出す。半兵衛が声を掛けようとすれば、小夜は大海の背に隠れ身を縮めた。
「み、見ないでっ! 半兵衛さん、ごめんなさい、嫌いにならないで……!!」
「小夜さん……あなたは私の妹のような存在です、嫌いになんてなるものですか」
「半兵衛さん……」
小夜はずっと泣いてばかりで、半兵衛の慰めもあまり耳に入っていないようである。大海は小夜の背中を撫で落ち着かせようとするが、すぐには泣き止まなかった。
――小夜が、襲われ犯された。秀吉の妾である事で、大海は小夜を性の対象として見る者はないと安心しきっていた。だが、悲劇は夜中、大海の目の離れたところで行われてしまったのだ。
「大海さん、詳しい話がしたいから、小夜さんが落ち着いたら私の所へ来てください。半兵衛様、少しお付き合いいただいてもよろしいでしょうか」