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戦国ラブドール
第23章 赤壁の戦い
吉継は大海の髪を梳きながら、唇を重ねる。そして甘い余韻に浸りながら、ぽつりと呟く。
「分からない事が増えたのに……前より君が好きになった気がする」
吉継の手が着物に回され脱がそうとしても、大海は嫌がらなかった。嫌だと叫ぶ気にならなかったのだ。
「よ、吉継。あの……今のって、どういう意味……?」
大海の頭を占めるのは、好きだという言葉。友達なのだから、好きだと言われても本来不思議に思う事ではない。だがその響きは、どうしてか大海を浮き足立たせていた。
「君が――大海が、僕の人生を変えてくれた。大事な人との思い出を、切ないものから楽しいものに戻してくれた。君が、そばにいてくれてよかった。好きだよ、大海」
吉継は大海の問いに、言葉では答えない。もう一度大海の胸に大きな波紋を呼んだまま、唇を奪う。溶け合うように混じり、脳天に響く痺れ。この感覚を、大海は以前にも感じた事があった。
(あたし……知ってる。思い上がりじゃない。これが……好きって気持ちだ)
恋する気持ちを教えると言って、虎之助が大海を抱いたその時。大海は前にも同じ気持ちを、誰かから受け止めた気がしていた。それは、一体誰だったのか。この瞬間、大海は理解した。