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禁断の果実に口づけを
第10章 普通に憧れる洋子
デパートの店内を巡りながら、目についた大人可愛いコーディネートのマネキンを見つけた。
『痩せた女なら似合うんだろうな…』
そんな事を考えたが、大手量販店の洋服なのでサイズは豊富にあった。
マネキンが着ているものと同じものも、洋子のでっぷりとした体型サイズまで取り揃えてある。
洋子はカゴを手に取り、自分サイズのものを入れ、会計へと歩き出す。
こんな感じのものが着たいという気持ちにもご無沙汰だった。
仕事は主にスーツだし、家ではラフなスタイルでいたかった。
そもそも自分の体型を良く分かっている洋子。
お洒落というカテゴリーは無縁で生きていたはずだったのに……
『こんな服を着てお洒落をした自分を見て欲しい。
いつも私をバカにする伸介は何て言うかしら?
少しは女としてマシな扱いをしてくれるかな?』
そんな気持ちで溢れていた。
洋服を購入し、靴屋では洋服に合うブーツを合わせた。
女心が率先し、下着売り場で赤と緑のクリスマスカラーの下着も買う。
『私は……
女になりたい。
自分の為に
自分を可愛がれる
そして、ちゃんと女扱いして貰える普通の女になりたい……』