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禁断の果実に口づけを
第12章 週明けの女達
晴美は会計を済ませて車に戻る。
午後のお客様との待ち合わせまで少し時間がある。
タバコに火をつけ、暫しの休憩を取る。
✾✾✾
ランチくらいご馳走して機嫌を取っても、期待に応えてくれる人間なんてたかがしれてる。
最近、まぁまぁ使えるようになった伊織。
新人だから、他の子達よりノルマは少ない。
秋山に苛められて、いつ辞めるかヒヤヒヤしたけど、まぁ今も続いているからヨシとするか。
ノルマギリギリの仕事しかしない、翠や真奈美はランチタイムだけは元気なのよね…
大体、この仕事では中堅クラスの年数を居るくせに、進歩というものが見えない。
その元気を仕事に活かしなさいよ!
秋山の事は言いたい放題だったけど、私から見たら変わらないわよ!
饒舌なお口をお持ちなら、その分契約上げてこいよ!
人の欠点を見つけるのは上手だけど、己を分かってない!
ホント、使えないわー
頑張ってくれてもさ……
私より頑張ってくれちゃうとさ……
可愛くないよ、朋ちゃん。
その頑張り方もいかがなもんかな……
使えてもさ……
私の前に出てくる目障りな子はいらないんだよね!
ホント、可愛くないもの!
出る杭は打ちたくなるもんよ!
晴美はタバコを消して、ハンドルを握り、ファミレスを出た。