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禁断の果実に口づけを
第13章 真冬の打ち上げ花火
「今日、一日外になります。
年末のご挨拶を兼ねてお客様のところを訪問したり、風間さんの契約もありますから、帰りは遅くなります」
リーダーの晴美と同じグループの仲間達にそう告げると、朋子は朝礼後、足早に営業所を出て行った。
「皆も今日一日頑張りましょうね」
晴美はにこやかな笑顔で後輩達に言った。
「はーい!」
『相変わらずお返事だけは良いわね。
翠と真奈美は……
ノルマだけ熟してくれたらいいわ。
あなた達には期待なんてしてないし。
保険営業は所詮個人事業。
頑張らない人はそれなりなのよ』
「私もお客様にカレンダー配りながら、年末のご挨拶回りをしてくるから、恐らく一日外になるわね。
皆もご挨拶回りをしながら、お客様から色々と情報聞き出して、結果に繋げられる様にね。
案外、掘り出し物を拾う場合もあるわ。
私達はそういう運も味方にしないと」
『じゃあね!』
と言い残し、晴美も営業所を出た。