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禁断の果実に口づけを
第13章 真冬の打ち上げ花火


 朋子は契約を持ち帰り、今年の仕事納め迎えられる余裕に慕っていた。

 『持つべきものは、お金持ちで人脈もあり、私の掌で踊ってくれる人よ。
私は頂点に立つ女なの。
だから多少の犠牲は仕方ないわ。
私は健さんに夢という色を売っているだけ。
様々な夢色を放ち、艶を出しながら染めただけよ。
一旦、掌の宴の悦びやスリルを味わってしまうと、そこに逃避を求めてしまうのが人間の弱さ。
それがビジネスに繋がっているだけ。
保険が人の人生や命の値段なら、私が高値をつけてあげて何が悪いの?

晴美さんには申し訳ないけど、晴美さんの維持してきたポストはもうすぐ世代交代を迎えるわ。

そして、あなた以上の上を目指す!』

 コンビニに寄り、カフェオレを買い、メンソールのタバコをふかして一息つく。
朋子の逢瀬前の儀式みたいなものだ。

 吸い終わると、ハンドルを握り高速に乗り、いつもの場所へと車を走らせる。


 『女は、男におねだりをするなら、可愛く甘える娼婦くらいが丁度いいのよ。
はしたなく欲しがり、むしゃぶりついて、微睡んだ瞳と満足感に溢れた笑みにさせたら願いは叶うもんなのよ』

 ラブホテルの駐車場に着き、朋子はその時を待った。
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