この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実に口づけを
第13章 真冬の打ち上げ花火
「優美子さんには辛い思いをさせますが、浮気現場を押さえれば、離婚に有利です。
優美子さんは名義だけの取締役ですが、社長が会社のお金を不正で横領しているのなら話は早いです。
取締役会議にでもかけて、解任してしまう事も可能です。
僕が貴女を支えます。
心配しないで下さい!」
『はい、どうも。細川さん。
あなたに野心ってもんがあって良かったわ!
いつも浮気のアリバイや後始末までさせられてきて、優美子さんに同情してしまったんだものね……
社長の右腕専務の役職だけじゃ、満足出来なかったでしょうね?
いつも都合のいいご主人様じゃ、飼犬も手を噛みたくなるのよね。
あなたの些細な復讐は、社長の妻を寝取るだけじゃ気が済まないはず。
どうせなら、全部乗っ取っちゃいなさいよ!』
「社長が一千万を口座から動かしたら、幕が開けるわ。
成功させるまで気を抜けないけど、上手くいけば、お二人の未来が開けるの。
その時まで息を潜めて、見て見ぬふりを通して下さい。
私は表舞台には上がらないけど、逐一報告はするわ。
上手くいくわよ!
優美子と細川さんが最期に笑うのよ」
「晴美さん……」