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禁断の果実に口づけを
第13章 真冬の打ち上げ花火
逢瀬が終わりを告げようとしていた。
いつもは別々に車に向うのに、健が契約書を車に忘れた事もあり、同時に駐車場へ向う。
健は車から、朋子の保険会社名の入った封筒を渡し、それと一緒に大きな紙袋を差し出す。
「何?コレ?」
「うちは子供服ブランドも手掛けているからな、女の子にも人気が高い。
年明けに限定の福袋も出すから、そのサンプルがたまたま車の中に入っていたからやる。
朋子の子は六歳だったな。
サイズも合うはずだ。
俺はセンスがあるからね、女の子にも喜ばれるものを選ぶのが上手い」
「あっ……有難う!健さん」
「どういたしまして。
サンタクロースにはなれないけど、せめてもの罪滅ぼしだ。
子供にとっては大切な母親と悪い事しちまってるしな…」
「悪いって思ったら、全てが黒になるわ。
健さんとの事。全部黒に染めたくない」
健は笑って、言葉を続けた。
「うちのブランドはWhiteCandyなんて甘たるい名前だ。
ふわふわの白いうさぎの耳がついたフードのコートが目玉なんだよ」
『知ってるわよ。
未来の保育園の共働きの裕福な家庭は、健さんの会社のブランドものを親子ペアでも着ている人も居るくらい人気よ。
未来もそのお友達を見て、『可愛い』って言いながらも、小さな嫉妬をするの。
欲しい物をおねだりしたいのにグッと堪える子なのよ……』