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禁断の果実に口づけを
第3章 秋山洋子のアクシデント
洋子自身にも嫌われてしまう原因は分かっていた。
仕事が出来ない人間が嫌いなのだ。
いつまでも同じミスを繰り返す、学習能力のない人間も、見てくれだけは綺麗でチヤホヤされる人間も‥‥
ーー大嫌い!ーー
川端伊織は初めから気に食わなかった。
見てるとイライラした。
伊織を怒鳴っている時、スカーッとするのだ。
そんな伊織に助けられた事や他の人間は見て見ぬ振りで助けようともしなかった事が頭の中を駆け巡る。
自業自得なんだけど、そんな自分が情けなかった。
✾✾✾
「ねぇ、腹へってない?
俺、ペコペコなんだよね!
ここの近くに美味い定食屋あるから、飯行かない?
時間あるならそうするべ?
あんたもいろいろあんだろ?
俺で良かったら聞くよ」
初対面の片岡伸介と食事!?
あっ………でも、この人は私の車の修理をしてくれて、みんなが帰ってしまった後もこうして残って待っていてくれたんだわ。
時計を見れば、二十時を過ぎていた。
お腹空いて当たり前よね‥‥
食事くらいご馳走しないと悪いわね‥‥
「なぁ、俺、着替えてくるから待ってて」
「‥‥‥‥はい」
なんとも複雑な気持ちで伸介を待っていた。