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禁断の果実に口づけを
第3章 秋山洋子のアクシデント
時間にして2、3分だったろうか……
シャツとジーンズ姿の伸介が現れた。
さっきまで着ていたツナギの作業服より、その姿は爽やかに見える。
伊織の友達だけあって若々しいし、背も高く、ガッチリしていて、ヤンチャな笑顔をする伸介。
自分より10以上年下であろう異性と食事するなんて、洋子にとっては初めての事だった。
どんよりした気持ちと裏腹に、ドキドキもしてしまう…
「行こうか?」
「‥‥‥はい」
少し歩くと、伸介の言っていた定食屋があった。
三松屋という看板があり、暖簾をくぐるとテーブル席が五席くらいある、よく見る大衆食堂の造り。
私にはお似合いか‥‥こういう昭和な雰囲気プンプンの店。
この男だって、川端伊織とならこの店は選ばないだろうに‥‥
「おばちゃん、
取り敢えず、俺ビール」
そう言って、伸介はテーブル席に着く。
洋子も伸介と向かい合わせに座る。
「ねぇ、ビール飲まなくていいの?」
「私は車ですから‥‥」
「車、置いて行ってもいいよ。
明日取りに来れば?
飲みたい心境じゃねーの?
無理には勧めないけど!」
確かに飲まなきゃ、やってらんない心境だった。
「じゃあ、頂きます…」
「おばちゃん、コップ二つね!」
伸介は届いたビールを私に向けて注いだ。
「いただきます‥‥」
コップ注がれたビールを一気に飲む洋子。