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禁断の果実に口づけを
第16章 砂の城
「さてと、朋ちゃん見習ってあともうひと踏ん張りしますか!
年末のご挨拶をしながら、顧客リスト、職域のお客様、知人とかあらゆる人達に声を掛けて、チャンスを掴みましょうね!」
晴美は自分のグループの後輩達に声を掛けてから営業所を出掛けた。
車の中に入ると、早速スマホを操作し電話を掛ける。
「あっ、もしもし、優美子さん。
おはようございます。
今、確認が出来たわ。
そちらの裏づけも細川さんに取って貰った方がいいわね」
「晴美さん、おはようございます。
何から何まで有難う御座いました。
そうですね。でも、実行は年明けになります」
「年明け!?」
「すいません…
会社の方が歳の瀬を迎えて忙しくて…
それに年明けには新年の大売り出しを兼ねた福袋やバーゲンを控えてます。
細川も今はそっちに掛かりきりなんです。
それに、私は明後日から年明けまではハワイに行く予定なんで…
毎年そうやって迎えてきてますし……。
晴美さんにはいろいろとご足労をお掛けしましたが、落ち着いてからまたこちらからご連絡します」
『ハァ!?
ハワイだと!?
何あんた悠長な事を言ってるのさ?
夫婦揃ってW不倫しといて、年末や年明けはハワイだと!?
馬鹿じゃないの?
どの面下げて新年迎えんだよ!?
全く……何なのよ!!』