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禁断の果実に口づけを
第17章 嫉妬の炎が揺らめいて
「風間様、今回の事でご足労おかけいたします」
「いえ」
「今、個人情報保護法に基づき、昔の様にご主人様の保険内容について、気軽に奥様やご家族の方にお話する事が出来なくなってしましいましたので、お気を揉まれてしまうのは、こちらも重々承知しております。
本当に申し訳ございません」
「その件に関しては分かりました。
私も、一応主人の会社の取締役を任されております。
ダメなものは仕方ないですし、曲げられない規則がある事も仕方無い事と認識しております」
柔軟に話を持ってゆきたい洋子に対しても、優美子の丁寧でありながらも棘のある口調は変わらない。
「そうなんですよね。
風間様の仰りたい事も分かりますが……
お客様を守る法律はこちらも取り扱いには最善の注意を払い取り扱っております」
なるべく相手に同調し、気持ちを鎮めたい洋子。
「ねぇ、秋山さん。
そちらは法に基づき規則を強く主張してますが、道理に合わない事をしてしまう社員がそれを主張する事に関してはいかがお考えになります?」
「道理に合わないとは……?」
その時、ドア【コンコン】とノックされ、パンフレットを持った朋子が入ってきた。
顔面蒼白気味の朋子は、優美子にお辞儀をして元の席に着いた。