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禁断の果実に口づけを
第17章 嫉妬の炎が揺らめいて

 「……風間様、本当に申し訳御座いませんでした!」

 洋子は謝り、深々と頭を下げた。


 ー次の瞬間ー

 「気持ち悪い人ですね!」

 朋子は優美子に向かって一言言った。

 「はぁ?
今、何て仰ったの?
倉橋さん、あなた一体何様なの!」

 優美子は朋子に怒りを顕にし、怒鳴りつけた。

「気持ち悪いから気持ち悪いと言ったまでです」

 朋子も優美子に強い口調で言い返し、威嚇の姿勢を取る。

 「あなた、人の夫を誑かして(たぶらかして)おいて、それが私に向かって言う台詞ですか!」

 「こんな写真まで撮らせて、わざわざ浮気した自分の旦那の醜態を晒せる妻って、気持ち悪い以外の言葉浮かびませんよ!」

 「辞めなさい!倉橋さん!」

 洋子は朋子に言い、二人の口論を止めに入る。

 「煩い!あなたには関係ないだろ!」

 興奮気味な朋子は洋子に怒鳴りながら言葉を遮る。

 間髪を入れずに、朋子VS優美子のバトルが洋子の目の前で繰り広げられた。
 
 「人を侮辱するのもいい加減にしなさいよ!
あなた、風間と企んで横領の片棒を担いだのね。
だから、証拠をつきつけられて逆ギレしか出来ないじゃない!
おまけにお尻も軽くて、そうやって体売りながら保険を売ってきたんじゃないの?
大手保険会社が聞いて呆れるわ!」

 「そんなに旦那が大事だったら、自分に飽きさせない工夫くらいしたら?
気位だけは高くて中身のないセレブじゃ、男もつまらないんでしょ!」

 「倉橋さん…あなたって本当に下品な女ね。
秋山さん……
あなた、部下にどんな教育しているの?」

 『本当に申し訳御座いません』と優美子に謝り、深々と頭を下げる洋子。

 どう見ても不利な朋子を咎め、誠心誠意謝り、この修羅場を乗り切るしか方法がない。

 「倉橋!!
いい加減になさい!!
あなたは自分の立場を弁えなさい!!」

 洋子は朋子に怒鳴っていた。

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