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禁断の果実に口づけを
第22章 ブス可愛い
朋子の家を出た洋子は、取り敢えず朋子の無事を確認出来て安心した。
今朝、何気なくテレビをつけてニュースを見ていたら、首都高湾岸線での大事故の映像が流れていた。
アナウンサーが、事故の被害者の名前を読み上げた時はびっくりした。
記憶に新しく、聞き覚えのある名前。
自分の聞き違いであって欲しいと願い、スマホでも検索してみたが、やはり、そこには風間健死亡の記事が書かれていた。
万が一、倉橋朋子が巻き込まれていたら……と思い、急いで支度をして朋子の家に向かった。
昨日も帰り道の途中、朋子の家に寄ってみたが、車もなく、電気も消えていて、インターホンを押しても返事がなかったので留守は確認していた。
昨日の事は、洋子の中でも気が動転してしまい、上手く対応出来なかったという反省があった。
もっと、自分が冷静に見極めて判断していれば、いくらかマシな結果が導けたかもしれない。
朋子を必要以上に傷つけてしまったという罪悪感もあった。
そんな思いが洋子を動かした。
今日は自分なりの言葉は伝えられた。
朋子が無事だった事に心から安堵した。
恋をしてなかったら……忘れていたのなら………
ここまでしたのだろうか……?
きっと、倉橋朋子を馬鹿な女、会社の名前に泥を塗った破廉恥な女と罵ったかもしれない。
そんな女に同情の余地などないと見離していたかもしれない…。
でも、今は嫌われてもいい。
少しでも、朋子の苦しみや哀しみが楽になる様、洋子は願った。