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禁断の果実に口づけを
第22章 ブス可愛い
何年も閉まっておいた鍋を出した。
鍋の支度をするのも久々。
鍋を誰かと食べるのも勿論久々。
その間にシャワーで一日の疲れを取るあなた。
お酒を熱燗にして、おちょこにお酌をする。
湯気の向こう側に愛しいあなたがいた。
あなたのリクエストで鱈鍋にして、白菜たっぷり入れたわ。
椎茸が苦手なのを知った。
春菊が嫌いなのがバレた。
こんな小さな発見をしながら、鍋を囲んでお酒を飲んだ。
鍋が食べ終わり、片付けをしてシャワーを浴びて寝室に行くと、ベッドで鼾をかいてあなたは眠っていた。
その寝顔を幸せな気持ちで眺めていた。
『サヨナラの時はちゃんと告げて欲しいな…。
心に蟠りを残さないように。
あなたの寝顔を思い出して、懐かしむ事は許して欲しい。
だから、今は隣に居させて』
そっと伸介の髪を撫でる洋子。
『欲張らないよ。これ以上。
ちゃんと弁えているからさ…』
グイッと洋子の手を取る伸介。
「ほら、さみぃーから布団入れ!あっ、これは洋子の布団か。
まぁいいや。早く隣に来いよ!肉布団」
「えっ、あっ、あぁ……うん」
『酔っ払って、寝ぼけていても毒舌なの?
らしいね。本当、伸介らしい。
気が変わらないうちにあなたの隣に行かなくちゃね』
腕枕なんてサービスはしないけど、あなたは布団をあげて私の手を取る。
「ほら、早くしろ!」
「うん。ねぇ、起きてるの?」
「やっと温かくなった。
寝る!」
あなたの優しさは素直じゃないけど、慣れたよ。
パジャマのボタンを中途半端に外して、中に手を入れ、乱暴に乳房を弄って指先で乳首を摘んだ。
乳首を勃たせて、『あっ……』と声が漏れると、クスっと笑って、また寝た振りをした。
『あっ……もう……』『あともう少し……』
声に出せない欲求を抱き、あなたに寄り添って心地良い眠りに誘われてる。
甘いぬくもりの中で幸せな女になれた。
セックスがなくても満たされていった。
甘い甘い夜だった。