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禁断の果実に口づけを
第23章 本物のQUEEN
 
 年が明け、実家で過ごしていた朋子。
哀しみに慕ってばかりはいられず、目の前の現実を少しずつ見つめる。
普段仕事で余り構ってやれてない未来が甘えてくる。
少々喧しいと思いながらも、この子の存在が救いの様に思えた。
初詣に行きたいというので付き合った。
お年玉で福袋が買いたいというからデパートにも行った。
子供向けのお正月映画も観せた。
空元気でありながらも、忙しく予定を作ってくれる娘と過ごす事により、逃避も出来た。
お気に入りのうさぎのコートを着る未来。
健との思い出が重なり、切ない。

 三ヶ日を過ぎ、正月番組を家族で見ていた時、朋子の携帯が鳴った。
バイブ機能にしていて、鳴っても殆ど放置していた。
晴美からの連絡や伊織からのメールが主だった。
心配されたり、同情されても心が痛いだけだった。
自分に下される判決を待つ容疑者の様な心境にすらなった。
それでも携帯を手に取り画面を見た。
真雪からの電話。

 急いで家族から離れて電話に出た。
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