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禁断の果実に口づけを
第26章 恋こゝろ
仕事が終わり、帰り道のコンビニで買った鮭弁当を食べながらテレビをつけた。
話し相手の居ないひとり暮らしはテレビがお友達。
チャンネルを変えながら、面白そうな番組を探した。
ハッと思って、手を止めた先の画面の向こう側に高瀬まひるが居た。
大手旅行会社のCMらしく、『たまには日本を飛び出そう!遊ぼう、楽しもう、癒されよう!たまには自分を可愛がらなきゃね!』と台詞を言い、南国の海をバックに真っ白なワンピース姿で砂浜を歩き、太陽の下ではしゃいだ笑顔の彼女が映し出されていた。
洋子にまた溜息が溢れた。
「勝てないわ。永遠に……。
若さ、可愛げ、スタイルの良さ、太陽の様な眩しい笑顔……」と自虐的になった。
伸介の元カノが余りにも偉大過ぎて、引け目も感じていた洋子は、恋心のまま突っ走れなくなり、蛇の生殺し状態で苦しくもなっていた。
鮭弁を食べて、ダラダラテレビを見ている間も、恋心は募った。
溜息の数だけ、会いたい、抱かれたい、セックスしたいという欲求が込み上げてくる。
一日の疲れはオナニーでその欲求を満たす事も増えていった。