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禁断の果実に口づけを
第27章 警告

 晴美は風間優美子から大きな保険の契約を貰った。
事故死した風間の保険金が優美子の元に入った。
会社の運営や税金対策なども兼ねて、経理や税理士と相談した上で、その一部を保険として資産に残した。

 晴美はたちまち営業所の売上げトップクィーンとなる。
人間というのは上に立つと欲が出てしまう生き物なのかもしれない?
その場所を動きたくないから、維持する事を考えてしまいがちだ。
正々堂々と仕事をし、維持すれば何の問題もないのだが……

 平等な判断の元で朋子の顧客をグループ内で分けて、フォローしてゆくのが正規のやり方。
だが、晴美はパイプの太そうな客は独り占めし、直属の部下達には譲らなかった。

 「倉橋さんのお客様は風間様関連の方が多いの。
だから、信用を取り戻してゆく為には私が担当していくわ」

 そう言い切り、目星いお客様は独り占めしてしまったのだ。

 勿論、不満の声も上がる。
直接ではなく、裏に回れば晴美を非難する声が囁かれていた。

 
 知らぬは本人だけ……


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