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禁断の果実に口づけを
第27章 警告
「おこぼれだけよね……。
私らに回してきたの」
「本当よね。
自分だけいいお客様鷲掴みにしてトップ維持ってどういう事?」
「信じらんないよねー」
「川端さんもそう思うでしょ?」
「はい」
晴美と同じグループの佐藤翠、竹本真奈美、伊織はファミレスで晴美を誘わず、ランチを食べながら愚痴をこぼしていた。
「あんなに卑しいと思わなかった!」
「卑しいよねー
倉橋さんのお客さんのいいとこ取りしてさー
ねぇ、風間さんの事って、あの時初めて知ったと思う?
何か怪しくない?
イタリアン料理教室で知り合ったとか言ってるけど、マジ有り得なくない?」
「あー!!ソレ私も思ってた。
前々から風間さんの事狙っていて、近づいてさ……
倉橋さんを嵌めたとか?」
「あぁ!ソレ有り得るかも!!
倉橋さんの不倫に気づいていて、裏から手を回したんだよ」
翠や真奈美が熱く語らなくとも、営業所員の数人はそれに気づいていた。
勿論、伊織も。
あんなにタイミング良く、酷いやり方で暴露され、仕事を追われてしまうなんて、裏で証拠を固められて突きつけられたに違いない。
協力者が居たから出来たんじゃないかという疑問が浮かび上がってくるのは当然の事だ。
ましてや、料理などしなそうな晴美がわざわ高い授業料を払って、風間優美子と同じ料理教室に通うなんて、それなりの見返りがなきゃやらないだろう。
倉橋朋子を煽てて顧客の情報を聞き出す事は、晴美なら容易い事だし、やりかねないと思っていた。