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禁断の果実に口づけを
第30章 ビターなあいつが恋しくて……
会いたい!!
この気持ちのまま突っ走るのは、心が素直に動いているから。
でも、やたらに自分の一方的な想いを告げるのも戸惑ってしまう。
それでも、恋に正直になりたかった。
支度をして、伸介の家に向かった。
すっかり慣れた道を運転し、いつものパーキングに車を停める。
暫く歩いて角を曲がると、レトロで昭和チックなアパートが見えてくる。
愛しい人の部屋に灯りが点っていた。
洋子はホッとしたり、ドキドキしたりと気持ちが交互した。
お土産と手作りティラミスの入った紙袋をぶら下げ、想いも願いもその中に込めた。
留守の場合も考えて、メッセージカードも添えた。
お口に合えばいいけど……
楽しかったわ。
お土産を選んでいる時。
ケーキを作っている時。
自己満足でも、そんな気持ちになれた。
幸せな時間を有難う。
洋子
精一杯の言葉をカードに添える。
なるべくあなたの負担にならない言葉を選んだ。
それでも、好きを込めた。