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禁断の果実に口づけを
第30章 ビターなあいつが恋しくて……
伸介の部屋の前まで行き、インターフォンを押す。
ドキドキが更に加速する。
ドアに向かう足音が聞こえた。
カチャと鍵が開く音。
ドアは開いた。
正面に立っていたのは……
またしても、こんな日に絶対会いたくない川端伊織だった。
しかも、可愛らしいピンクのギンガムチェックにレースをあしらったエプロン姿なのは何故?
キィと睨んだ視線を私に向け、口を開いた。
「今、居ませんよ?
何かご用ですか?」
「あっ、えっ、、あ、その……えっと……お土産を渡しに……」
「はっ?」
「えっと、片岡さんにお世話になったお礼にお土産買ってきたんで、それを渡しに参りました……」
「へぇー どんなお世話になったのかしら?
まさか、今頃パンク修理のお礼のわけないですもんねー
ねっ?秋山代理」
「えぇ……」
「なんなら、私から渡しておきましょうか?」
「………あっ、でも…………」
「伸ちゃんに渡せばいいんですよね?」
「…………はい」
「大丈夫ですよ。安心して下さい。
渡す前に捨てたりしませんから。
ちゃんと渡しておきますよ!」
「あっ! 川端さん……」
伊織は洋子の持っていた紙袋を半ば強引に奪おうとした。