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禁断の果実に口づけを
第34章 Energy
部屋に戻った洋子は、晴美から貰った飲み物やお菓子を同室の人達に配った。
先程、ティラミスを貰った隣のベッドの安田にもお礼を言いながら、飲み物とマドレーヌを渡す。
「あら、悪いわ……」
「あっ、いえ。ケーキのお礼です。
沢山頂きましたし、私一人では食べきれませんのでお裾分け。
きっと、そのつもりで買って下さったのかもしれません」
「あらそう?なら遠慮無く頂きますね。
もうすぐホワイトデーだから、洒落たお菓子でいっぱいよね。
うちの娘もバレンタインの時はそわそわしていたわ」
「可愛いいお嬢さんですね」
「まだ小五なのにオマセなのよね~
隣のクラスの好きな子に渡したみたいだけど、どうなるかな?」
「小さな恋、実るといいですね!」
「そうね。
無邪気な気持ちでバレンタインやホワイトデーを楽しみに出来るうちが一番いいよね。
そんなトキメキ欲しいわよね」
「はい。そうですね」
寝る前に何気ない世間話をし、おやすみなさいの挨拶を交わして自分のベッドの周りのカーテンを閉める。
入院してから、こんな毎日が当たり前の様に過ぎた。
太るのは気になるが、ティラミスを食べながらコーヒーを飲み、至福の時間を過ごした後、ちゃんと歯を磨いてから眠りについた。