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禁断の果実に口づけを
第35章 禁断の果実

 帯や浴衣が足元に落ち、裸になって恥じらう。
紫陽花の花言葉は、あなたには内緒にしとく。
気持ちそのものをぶつけたら重くなってしまう…。

 少し屈み、私を見上げて、乳首に唇を這わせ、上目遣いでしゃぶりながら、反応を見る。

 ドキっとしちゃうじゃない。
挑戦的でも、そんな優しい眼差しを向けられたら……

 チュウチュウと音を立てながら、舌先が行き交う。
口に含ませて舌をチロチロと動く。

 「あああ……」

 声だって漏れてしまうよ。
かなり感じてるから……

 あなたの頭を軽く抱き、私の乳房に埋めた。
あなたは優しく左右の乳首を愛撫した。
片方は唇で。
もう片方は指先で。

 「ハァハァ……」

 息が乱れる。

 正直になってゆく身体。

 激しく あなたを セックスという形で 本音をぶつけたくなってしまうんだよ……

 『堪らないほど好きよ』

 心の声とは裏腹に、私は行為を楽しむ女に徹した。


 そんなあなたも、私の乳房を咥えて舐めながら、自分の浴衣を脱ぎ捨てていった。

 薄明かりの中でも、あなたの逞しい肉体のシルエットが私の瞳に映る。

 込み上げてくる……
その腕の中に抱かれたいと願う、女心が。
私の身体にあなたを迎えたいのよ。


 願いを叶えてくれるかの様に、あなたは私を抱え、敷かれた布団の上に身体を置いた。

 唇を添えて、私と重なり合ってゆくーー
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