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禁断の果実に口づけを
第36章 恋が教えてくれたこと
露天風呂付きの部屋で情事の後の身体を洗い流す。
大きな樽の様な湯船に浸かり、今宵の月を眺めた。
満月が少し欠けた形がこの場所からよく見えた。
月明かりの中で寄り添う二人。
「綺麗な月夜ね」
「あぁ」
「有難う。伸介」
「何が?」
「素敵な夜を有難う」
「何だ?今日はやけに素直だな。洋子」
「こんな日に素直にならなくて、いつなるの?」
「そっか。まぁ、そんな日もあるかもな」
「こんな日があるから……人生は面白いのよ」
「違いねーな!
どうせ生きるなら、面白くなくちゃな!」
『あなたが居たから……
人生は面白いもんなんだと思えたよ。
無駄な言葉は言わなくていいね。
今は、心も身体も裸なのだから……』
月明かりは二人を照らす。
二つの唇は何度も重なり合った。