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禁断の果実に口づけを
第6章 洋子の変貌


 「あぁ……お役に立てた様で何よりです」

 「本当に助かりました」

 「いえ、あんな事でしかお役に立てませんが、また何かありましたら言って下さい。片岡君、優秀な整備士ですから」

 「えぇ‥‥
有難う御座います。
そうね。またお願いする事もあるかもね…」

 「秋山代理、ピンクのブラウス似合いますね!」

 一瞬、いつも私を見て怯える態度の川端がニヤッと冷たい笑いをした様に見えた。

 人をおちょくる様な冷やかな瞳。
何か言いたげでそれでいて言わない。
こちらの弱味を手の内に隠している様な…

『昨日の事は知ってますよ!』くらい、女独特の鋭い視線を向けられた様な気がした。


 「あっ、有難う…
もうすぐ、朝礼始まるから川端さんも席に戻ってね!」

 「はい」

 えっ!?見間違い……?
いつもの川端の顔に戻ってる。

 ーーまさか、もう片岡伸介との事が川端には筒抜けとか?ーー
 
 ーーないよね、ないない。あったら、困るーー
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