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禁断の果実に口づけを
第37章 生きていかなきゃ

 青田はコーヒーを一口飲み、洋子を真っ直ぐ見た。

 「僕はきっと秋山さんに勝ち続けるでしょう。
それくらい自信があります。
でも、それじゃあ、秋山さんに対してフェアじゃない。
秋山さんが此処に来てくれるのは仕事があるからだ。
いつまでも気を持たせて、曖昧な態度を取るのは客としても男としても卑怯だからね。
ぶっちゃけた話、最初から契約するつもりでした。
でも、あなたに会えるキッカケも欲しかった。
あなたが勧めてくれた保険は、僕がこの仕事を辞めた時の退職金代わりだ。
ただ、僕は根っからの仕事人間なとこもあるから、今暫くの間は現役でいるつもり。
そんな僕もね、妻に先立たれて七年、最愛の娘も自立して、寂しくなったんですよ。
これからを生きていく支えが欲しいと切実に思う様になった。

 秋山さん、仕事を離れても、たまに僕のオセロの相手をして貰えませんか?
あなたさえ嫌じゃなければ、友達から始めたいんですが……」


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