この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実に口づけを
第39章 愛
直ぐにママがアイスコーヒーを運んできて、二人の目の前に置いた。
店内は祭り客や常連風のお客が数名テーブル席やカウンターに居たが、青田が一番奥の窓際の席を選んでくれたので、ゆっくりと話が出来そうだ。
お囃子の音も聞こえてきて、祭りの夜の賑わいを窓越しからも眺められた。
そしてーー目の前では、洋子の話をゆっくりと待つ、青田が居る。
洋子は冷えたアイスコーヒーを一口飲み、喉を潤しながら、これから話す事を頭の中で整理していた。
覚悟を決めて、青田の瞳を見る。
歳は一回り上の五十二歳。
独立して事務所を構えるやり手の建築士。
娘さんは自立している。
優しい人柄も、会う度に伝わった。
たまにギャンブルはするが、マイルールの元、浪費するわけではなく、依存症でもない。
オセロを楽しむ事は趣味だと思えば、自分も合わせられる。
自分は煙草を吸わないが、喫煙者を嫌だとは思わない。
白髪混じりの頭髪も散髪できちんと整えて、笑うと出来る目尻の皺、口角が上がった唇。
若い頃はかなりモテたのではないか?と想像させる顔立ち。
話も食の趣味も合う。
秋には四十歳の誕生日を迎える洋子に突然のプロポーズ。
こんな日が再び来るなんて……