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禁断の果実に口づけを
第39章 愛
「恋にはタイミングもあると思う。
僕の場合は、妻を亡くして一人娘も自立して、寂しいと思った時に洋子さんがが現れた。
この先、子供を望まなくても、有意義な人生を過ごす事は可能です。
趣味や仕事を充実させるのもいい。
朝は『おはよう』から始まり、夜は『おやすみ』と言える相手が欲しい。
今日一日がどんな一日だったのかを互いに報告し合ったり、一緒に食事をとり、健康管理をしながら、残りの人生を謳歌する。
何気ない事も愉しみにするんですよ。
僕はそんな夫婦になれたらいいなと思います。
ーー洋子さんとなら、それが出来るんじゃないかって」
「どうして、そんな風に思って下さるんですか?」
「答えはシンプルです。
『好きだから』この一言に限ります。
策略家になりきれないなら、真っ正直な気持ちをぶつけるしかないでしょ。
僕だって、恋をして失うのは怖いですよ。
それでも、打ち明けてダメならダメでスッキリするもんです。
言わないよりは断然良い。
未練を残さないで前を向ける。
だから、洋子さんに気持ちをぶつけた。
返事はゆっくり待ちますよ」