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禁断の果実に口づけを
第40章 生きてくってこと



 「送りオオカミになって嫌われたくないし……
プロポーズした日に振られたくないだろ?
慎重にもなるさ」


 「うん」


 「夢みたいだな……
こうして洋子と……」




✾✾✾


 祗園祭の翌週の週末に、恋人として初めて青田の家に遊びに行った洋子。

「男のひとり暮らしだからね……
家事の中で一番掃除が苦手なんだ」

 前日に仕事を早めに切り上げて、大掃除したと打ち明ける青田。

「事務所は綺麗にしてらっしゃるから、キチンとされているのが好きなのかと……」

「あぁ、そうでありたいんだけどね。
多分、どんどんボロが出ると思うよ。
仕事場は綺麗にしている分、自宅までは行き届かないんだ」


 そんな風に言いながらも、ちゃんと掃除機をかけて、綺麗に拭かれた床などを見ると、やる時はやるという人柄が窺われる。

 リビングダイニングのテーブルの上には、オセロの盤がセッティングされていた。

 コーヒーを淹れて、雑談をしながらオセロを打った。

 手加減なしの勝負の行方は分かりきっている。

 ゲームが終わり、顔を見合わせて笑い合う。

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