この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実に口づけを
第40章 生きてくってこと
「送りオオカミになって嫌われたくないし……
プロポーズした日に振られたくないだろ?
慎重にもなるさ」
「うん」
「夢みたいだな……
こうして洋子と……」
✾✾✾
祗園祭の翌週の週末に、恋人として初めて青田の家に遊びに行った洋子。
「男のひとり暮らしだからね……
家事の中で一番掃除が苦手なんだ」
前日に仕事を早めに切り上げて、大掃除したと打ち明ける青田。
「事務所は綺麗にしてらっしゃるから、キチンとされているのが好きなのかと……」
「あぁ、そうでありたいんだけどね。
多分、どんどんボロが出ると思うよ。
仕事場は綺麗にしている分、自宅までは行き届かないんだ」
そんな風に言いながらも、ちゃんと掃除機をかけて、綺麗に拭かれた床などを見ると、やる時はやるという人柄が窺われる。
リビングダイニングのテーブルの上には、オセロの盤がセッティングされていた。
コーヒーを淹れて、雑談をしながらオセロを打った。
手加減なしの勝負の行方は分かりきっている。
ゲームが終わり、顔を見合わせて笑い合う。