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禁断の果実に口づけを
第41章 洋子

✾✾✾



 「よっ!兄さん久し振りだね。
いらっしゃい!」

 「おやっさんのラーメンが恋しくなってね。
ラーメン頂こうか」

 「あいよ。
今日は一杯やってかないのかい?」

 「あいにく、車なんでね」

 「そうかい、そりゃあ残念だね。
あっ!それと、さっきまでいつも一緒だった姉さんが来てたのにな……」

 「えっ!?洋子が!!」

 「あっ、確かそんな名前だったね」

 ラーメン屋のオヤジは伸介のラーメンを作りながら話し相手になった。

 「元気だったか?あいつ……」

 「いい笑顔でラーメン食っていったよ。
何か、今日は本社に用事があってこっちに来ていたみたいだね。
帰り道に途中下車して、わざわざ食べに来てくれたよ」

 「あいつらしいな。
この味に会いたくなったんだな」

 「へい、おまち!」

 オヤジからラーメンの器を受け取る伸介。

 「今日も盛ってんな!」

 「サービス!
同じもん、姉さんも食べていったよ!
相変わらずのいい笑顔していたよ……」

 「なら問題ねーな!
美味いもん食うと笑顔になるからな」

 「あの笑顔を作ったのは兄さんだろ?」

 「俺?」

 「まぁ、伸びないうちに食べなよ。
いくら美味くても、冷めて伸びたら不味くなる。
恋心とラーメンは熱いうちに頂かないと、進まないからね」

 「相変わらず、上手い事言うな。おやっさんは」
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