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禁断の果実に口づけを
第7章 理性と欲望の狭間
 

 伸介の腰の動きが段々激しくなり、ブタンブタンと醜く響き渡る打ちこまれてぶつかる肉の音。

「ハァ……ハァ……洋子、イクぞ!」

 ブタンブタンブタンブタンブタンブタン……

 「うっ、あぁ……」

 ピタリと私の中で包み込んだ肉が勢いよく一気に外れた。

 背中と髪の毛に生暖かいモノが飛び散る。


 「わりぃーな洋子、生でヤッちまったけど、ちゃんと外に出したからから安心しろ。
生は気持ち良いだろ?」

 
 今更だよ……
若くもないのに雰囲気に流され、避妊をしない無責任なセックスをしてしまった罪悪感。

 だけど大丈夫……
妊娠出来にくい身体なんだってさ……

 私は結婚前にブライダルチェックで産科に受診した事がある。
結婚前の礼儀として気軽に受けたつもりだった。
だけど、医師から告げられた言葉は残酷なものだった。

 『卵子の質が悪い。
自然妊娠は難しい』
 
 そう告げられた。

 婚約者にはその事を告げずに結婚したのはそもそもの罪の始まりだった。

 治療をすれば何とかなると思っていた。
妊娠する可能性が0と言われた訳ではない。
難しいだけだと自分に言い聞かせた。
婚約者を愛していた。
失いたくなかった。

 それは私のエゴだったのかもしれない。
それでも、押し通したかった愛もあった。




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