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禁断の果実に口づけを
第9章 デキる女ー倉橋朋子の秘密


 健との濃厚なセックスの後、ルームサービスでエスニック料理を頼み、少し遅めの昼食を取った。

 汗をかいた後に飲む、南国風にアレンジしてあるパッションフルーツのノンアルコールのカクテルは、朋子の喉の乾きを癒やした。
見栄っ張りな健は、ガパオライス、春巻き、シーフードサラダ、エビの唐揚げなどテーブルに乗り切れないほどの料理を頼んだ。
エビは頭ごと食べれて、バリバリとした歯ごたえを与えながら、レモンやパクチーなどを混ぜたソースが絶品だ。

 「最近のラブホもやるねー
レトルトなんだろうけど、食べれて満足出来るもんを客に提供する。
フリータイムがあって、せかせかセックスしなくてもいいしな!」


 などと言いながら、ミネラルウォーターを飲み、健も満足そうに食べていた。


 「そうね。
私達の秘密の逢瀬の場所ですものね。
こうして、健さんと人目を気にしないで会える場所は必要だわ」


 『不倫は不倫ですものね。
場所も弁えるわよ。
別に着飾って一流のレストランでご飯を食べなくてもいいわ。
食べたいなら自分の力で頂くから。
ここは、あなたと私の関係そのものを正直に現している場所なだけよ』


 「美味しいわ!
あくせく仕事をしている私にも癒し日があってもバチは当たらないわね」

 笑って魅せる朋子。

 『健気も女の最高の武器』

 私はいつからこんなにしたたかで意固地な性格になったのだろう……

 頑張れば頑張る程、虚しくもなった。
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