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お嫁さん
第4章 消えた夢
私は立ち上がり、早くこの部屋から出ようと思いました。
体を拭こうとフラフラした足取りでバスルームに行くと、そこには手足を粘着テープでグルグル巻きにされ、タオルで猿轡をさせられている賢二さんがいました。私は慌てて賢二さんを助けました。そして警察に届けようと泣きながら言いました。
しかし賢二さんは、僕の両親への挨拶や結婚が控えているから、警察に届けたらそれどころじゃなくなってしまうと私を諭すのです。私は少し考えましたが、彼の言う通りだと思いました。
私達は急いで部屋を出る事にしました。
洋服やカバンは無事でしたが、奮発して買ったランジェリーはペニスでも拭いたのか、ブラもショーツも精子まみれで部屋のゴミ箱に捨てられていたのです。
私は今まで以上に泣き崩れました。でも、賢二さんに支えられながら部屋を出てホテルを後にしたのです。もう外は明け始めていました。
そして家まで送ってもらったのです。
私は自分の部屋に戻っても、恐怖心が抜けず眠れずにいました。そして少しでも心を癒そうと賢二さんに電話を掛けました。しかし、いくら掛けても電話に出てくれなければ留守電にもなりません。それどころか電波の入らない所にいるか電源を切っていると言うようになったのです。