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お嫁さん
第1章 出会い
私の容姿の話は別にどうでもよいのです。話を元に戻します。
去年の6月頃、私はパートを終えて夕方の商店街を歩いていました。すると、とある雑居ビルの一階に結婚相談所という看板があることに気が付きました。毎日のように通っている道ですが、今までは気が付きませんでした。しかしその時、私は大手の婚活サイトよりも地元に密着した相談所の方が親身になって相手を探してくれるような気がして、休みの日にでも寄ってみようと思いました。
そして次のパートの休みの日、その結婚相談所へ行きました。
結婚相談所は通りに面している部分が全面ガラス張りです。でも、ロールカーテンがしてあるので通りからは中が見えません。私は少し不安を覚えましたが、とりあえず入ってみる事にしました。
タッチ式の自動ドアを開けて中へ入ると、十二畳ぐらいの部屋の真ん中に楕円形のガラスのテーブルがあり、小綺麗な中年女性が座っていました。そして奥にはオフィス用のディスクに向かい座っている背広を着た小太りの中年男性が一人と、ファイルがたくさん詰まっている棚が一つありました。
「いらっしゃいませ、どうぞお座りください」
中年女性が私に声をかけてきました。
私は言われたとおりに椅子に座り、結婚相手を探している事を告げると簡単なプロフィールを書かされました。そして料金の話や理想の相手などを三十分ぐらいは話したと思います。
すると奥に座っていた小太りの男がファイルを持って来ました。