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お嫁さん
第1章 出会い
その中年男性はテーブルの横へ来ると立ったままファイルを広げ、一人の男性のプロフィールを指さしながら言いました。
「山咲さんの希望に近い男性だと、この人なんてどうかな」
私は話の進展の速さに戸惑いました。それと中年男性の手が、がさついてごつい事と近くで見ると背広が皺だらけな事が気になりました。小綺麗な中年女性に比べて、身なりが少し小汚い気がしたのです。
「もちろん、すぐに結論は出さなくて良いんだけどね」
もちろん、その時には結論を出しませんでした。
それから二週間後ぐらいだったと思います。結婚相談所から良い相手が見つかったとの連絡が来ました。そして私も納得出来る男性だったので一度会ってみる事にしました。
私はパートなので男性の休日に合わせて休みをもらい、結婚相談所の二人と四人でオシャレなカフェで初めて会いました。
男性は佐藤賢二と言う名前で36歳、第一印象は優しそうな人。背が高く、がっちりした体形。
一目惚れと言うほどでもないですが、すごく好印象でお付き合いをしてみたいと思いました。
そして次は二人だけで会う事を約束して、その日は帰りました。
私たちの交際がスタートしたのです。