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鏡の中から…
第7章 熱…
「我は…龍だ…
人のお前と…
龍の我とでは…
時間の流れが…違う」
「そうね。私が死んでも…貴方は生きる
そして継ぎの主を得て…
貴方はその主に仕えるんでしよ?」
「夏海…我は…
もう誰にも仕える気はない…」
雅龍は…夏海から離れると
目の前の夏海の頬に…
手を伸ばした
「夏海…我は…お前を離したくはない…」
「それって、私だけ愛してくれる…って事?」
「そうだ…」
「でも、貴方は龍でしょ?
私は確実に貴方より早く死ぬわよ?」
「お主が死しても…離したくはない
黄泉まで渡って…お主の魂を捕まえ…
魔界の片隅で…共に暮らしてはくれぬか?」
「そんな事が出来るの?」
「……出来なくとも…やる
それが出来ないのなら…
夏海が…死する時に共に死ぬ
お前の魂に…我の魂を結ぶ
魂を結べば…一蓮托生…
お主の息が途絶えた瞬間…
共に…黄泉を渡り…共に消えよう…」
共に消えよう…
雅龍の想いの限りだった