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鏡の中から…
第9章 明日へと続く日々
「迎えに来ては…いけなかったか?」
雅龍が、やはり拗ねて聞く
「雅龍、手を繋ご」
そっと手に触れると
雅龍の温もりが伝わる
「夏海…」
雅龍は苦しそうに…夏海の名を呼んだ
夏海の…日々を奪うのは…自分だから
雅龍は辛くて仕方がなかった
この人混みの中に紛れれば…
何処にでもいる女子高生だった
未来に溢れ、夢に向かう明日がある
だけど…夏海の明日は…未来へ続かない
「雅龍、クレープ買って帰ろうか♪」
夏海は楽しそうに雅龍に語りかける
「待っておるのだ…」
雅龍は、クレープを買いに行く
優しい
雅龍は…本当に優しい
こんな優しい男は…
もう二度と現れやしない
だから、悔いなんてない