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鏡の中から…
第10章 宝物


家族が出て行くと雅龍は、夏海を抱き締めた

「我の子が…出来たのか?」

「……そうみたい…」

嬉しさが…込み上げる

だけど…悲しさも込み上げる

雅龍は悲しさを打ち消して…

喜びを露にした

「夏海と我の子だ…嬉しい」

「雅龍…」

夏海も嬉しそうに笑った

「行くとしようぞ」

雅龍は優しく夏海の背を抱くと

香住の待つ駐車場へと歩いて行った

車のドアを開け

夏海を乗せると、雅龍も乗り込む

蕩けそうな雅龍の顔を見て

お婆様と香住は…

胸が痛みだす

辛い想いを…

喜びで打ち消し…

笑う

どれだけの想いで…



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