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鏡の中から…
第11章 母になる


雅龍は香住にタクシーを呼んで貰い

タクシーが到着すると、夏海を抱えて

タクシーに乗り込んだ

行き先を告げて

夏海の肩を抱き…手を繋ぐ

何も喋らず…互いの温もりだけを感じて

瞳を瞑った

タクシーは、飛鳥井の家に着くと

二人に告げた

雅龍は料金を支払うと、タクシーから降り

夏海を抱えてタクシーから下ろした

タクシーを降りると

飛鳥井の家で良く見かける

緑川一生が出迎えてくれていた

「夏海、無理をしなくても康太が出向くのに…」

腹の大きくなった夏海に一生が、声をかける

「うんん。大丈夫。真贋は?」

「夏海が来るから…って待ってる」

出迎えに行けと…言われたから待ってた

と、一生は告げた

飛鳥井の家の中へ案内されると

何時ものソファーに飛鳥井康太は座っていた

夏海は、康太を見ると深々と頭を下げた

雅龍は夏海をソファーに座らせると、その横に座った



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