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鏡の中から…
第11章 母になる
「そして…何時か…互いの分身がいる事を…
私に変わって…教えて下さい
私と雅龍の想いも…伝えて下さい
お願いします…」
夏海は深々と頭を下げた
康太は…天を仰ぎ…
「神楽の姫は…皆…無茶な願いを押し付ける…」
言って…一筋の雫を…流した
「私は…雅龍と共に逝きます」
二人して…消えてなくなろう
龍が…人と…
共にはいられないのは解っている
ならば…この命が…消え去る時
二人して…消えてなくなろう
夏海は、心に決めていた
康太は雅龍に
「夏海の命の焔が消えた時、二人で黄泉に渡り…魔界へ行くが良い
お前の叔父の黒龍が段取りしてくれている
お前の両親や、兄弟は受け入れる準備をしている
女神は…夏海に…雅龍の分だけの寿命を与える
二人は…死しても…共に生きるが良い」
康太の最大の…プレゼントだった
「炎帝…」
雅龍は…康太を見て呟いた