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鏡の中から…
第11章 母になる
夏海は、立ち上がり、康太に頭を下げようとして…
「おととと…っ」とふらついた
雅龍が支えて…苦笑する
「では真贋宜しくお願いします!」
夏海は元気良く言うと、雅龍と共に応接室を、出て行った
慎一が二人を送る為に、一緒に出て行く
康太は…夏海と雅龍を見送って
「母は強いな…」と呟いた
「ええ。本当に母は強いですね」
「あんな強い姿を見せられると…
オレも…お前の子を産んでみてぇって思うな」
「産みたいのですか?」
「産めねぇ…けどな」
「僕は…我が子と解っていても…君が触るのは許せません…嫌です!絶対に!」
康太を抱き寄せ
「だから産めなくて良いです」と囁いた
康太は笑って恋人の胸に顔を埋めた
願わくば…
夏海が悔いなく…
この世を終えれます様に……
と、祈るだけだった