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鏡の中から…
第11章 母になる
こんなに愛しい我が子を手離して行かねばならぬ…
我が子…雅龍と夏海を想えば泣けてくる
白龍は…涙を堪え…
嬰児に…口づけた
「元気にすくすく育ちなさい…」
祖母の…願いだった
黄龍も孫を手にして…
頬に口づけを落とした
「誰よりも愛され…生きるのじゃ…」
幸せを誰よりも願おう
二人の嬰児の幸せを誰よりも…
願って止まない
雅龍は…
別れが決まっている我が子を抱き締めてもらい…
嬉しさで胸が一杯になった
看護婦は赤ちゃんを引き取ると
病室の方へ案内した
「暫くお待ちください
お母さんが戻って参りますからね」
そう言い看護婦は…消えて行った